IBDP体験記 現役DP生が国際バカロレアを解説してみた

不定期更新。国際バカロレアについて現役生がぶっちゃけます。

【IBDP】 CASのLearning Outcomesってなに? 活動とどう関連させればいいの?

どうも葉山です。

最近連続で更新しまくっているので近況報告することがないです。

強いていうなら、

先日友人に「葉山ってYouTubeで何見てんの」と聞かれました。

よく見るものは大抵数学か生物の解説動画なのですが、

とてつもなくやる気がない時には

巷で話題の「Study Equal Magic」を見て虚無になり、

加賀美ハヤトと剣持刀也の配信切り抜きを見て元気をいただいたり。

最近はあらなるめい(歌い手のユニット)に再熱しておりまして

人マニアの以心伝心(というか原口沙輔の作風が好き)と

Beyond the Wayを鬼リピしています。とても良い。

 

 

さて今回の記事は

夜道を歩いていたときに出くわした後輩と同級生からのリクエストです。

本人共はこのブログに出演したいとのことだったので、

後輩ことハトと少年ちゃん(トランペットが鬼上手いのでそう呼んでくれと言われた)

そして同級生ことつつき魔ちゃん(昼休憩に決まってつつかれるので)が

解説して欲しいことがあるとのことで。

 

それが表題の通り、

Learning Outcomes / 学びの成果 についてです。

葉山もかなりノリでやっているところがあるので

今一度見直してみるにはいい機会です。ふふん。

 

 

 

CASってなんだっけ?

 

詳しい話は過去記事でしているので貼っておきますが、

(記念すべき新装版葉山ブログの第一回目なのでよく覚えている)

hayamaibdip.hatenablog.com

 

簡単に言うと、

これやらないとDPが取れないと言われるほど重要な位置にいる

とてもやりがいのある楽しい相棒みたいなやつです。

少なくとも葉山はどんな勉強よりもCASのおかげで

DPやっててよかったと思えるくらいには好きです。

 

CASには3つの柱があり、それらをバランスよくこなす必要があります。

加えて、他者と協働するなど+αで要件をこなした「CAS Project」なるものを

必ず一度はしないといけないなんて条件もあります。

葉山はこれを学年レクにしました。

その時の感想はこちらに↓

hayamaibdip.hatenablog.com

 

あとブログとか編曲とか体験記的なものをまとめたことがあったので貼っておきます。

関連しているやつはここに貼っとけばいいかスタンスで行きます。下心などないです。

hayamaibdip.hatenablog.com

 

hayamaibdip.hatenablog.com

 

hayamaibdip.hatenablog.com

 

hayamaibdip.hatenablog.com

意外と書いてたようですね。

 

 

Learning Outcomes ってなに?

 

葉山の学校でもらった資料には「学びの成果」なんて文言で紹介されていましたが、

そのまんまだと思います。

簡単に言えば、

そのCASをすることであなたはどんな価値(成長)を得るのか

を示すやつです。少なくとも葉山はそう感じてます。

学びの成果とは,CASのプログラムの過程で生徒ができるようになることを明確に記述したものです。目的のはっきりした有意義なCAS活動を通じて生徒は7つの学びの成果を達成するために必要なスキル、特質、理解を習得します。

(学校配布資料より)

 

CASってなんでもしていいんだー! と思ったら大間違いということ。

ちゃんと学びになることをしろ、とIBOは言っているということになります。

そりゃそうなんだろうけどさ……。

 

どんなものがあるの?

 

CASで定められているLearning Outcomesは7つあります。

それぞれの名前を列挙してみると、

  1. 自分の長所と短所を認識する
  2. 課題に挑戦し、新しいスキルを習得する
  3. 自らCAS活動を計画し開始することができる
  4. CAS活動を継続し、やり遂げる粘り強さを示す
  5. 他の人と協働し、その意義を認識する
  6. グローバルな課題に取り組む
  7. 選択と行動の倫理的側面を認識し取り組む

です。

なんだそれ、となるような文言がいっぱい並んでいますね。

 

ですが、これ、多分日本語で見るより英語で見た方が理解しやすいです。多分。

一回英語での記述を覗いてみると、

  1. Awarness
  2. Challenge / New skill(s)
  3. Initiative
  4. Perservance
  5. Collaboration
  6. Gloval Values
  7. Ethics

こんな感じです。

少なくとも葉山がこういう形で簡略化した、というだけかもしれませんが

この形にした方がなんとなく何を言いたいのかわかる気がします。なんとなく、ね。

 

ですが、「いや難しいだろ」「読者に期待すんなよ葉山」となることも多いと思うので、

ここからはそれぞれのLearning Outcomes(以下LOと記述)が何を求めているのか

葉山なりの視点で詳しく解説してみようと思います。

 

 

LO1:自分の長所と短所を認識する

 

この観点では、主に自分の「できること」「できないこと」を認識することが求められます。

当たり前ですが、人間全てを完璧にこなせるわけじゃないです。

葉山が仮に歌がうまかったとしたら、これは「長所を認識している」になりますが、

逆に葉山はとんでもなく「運動音痴である」、これは「短所の認識」です。

ね、「完璧なんてどこにもねーよ」なんですよ(「探偵たちの鎮魂歌」コナンくんの台詞です、確か)

要するに、自分には何ができて何ができないのかを

ちゃんと自分自身で認識するための活動、だったらこのLOが使えます。

 

蛇足ですが、ある程度焦点化した活動にしておいた方がCASってやりやすいんじゃないかと思います。

というか、「運動音痴を克服する」という名目の活動は一つしか登録できないけど

「走る」「腹筋を鍛える」「歩く」とかは別々で登録できるので

個数稼ぎにも有効です。

特に個数をかなりこなさないといけない葉山の高校の謎システムならとても有用。

 

LO2:課題に挑戦し、新しいスキルを習得する

 

これまでに自分がした経験、或いはしたことないことについて挑戦し

新しい価値観を得ることです。

自分ができる、ということを認識しているということは

若干LO1の「長所認識」とも重なるところがありそうです。

LOは組み合わせて登録しても全然OKなので、

重なりそうだな、これ合わせて登録したいな、という場合には全然それでもOKだと思います。

厳密に違う点があるとすれば、

自らがその活動に取り組むことで

「新しい何かを得ることができるか」です。

 

先程、「J-POPを歌えるようになる」を例に挙げたので違いを見てみると、

LO1だとという活動にするなら自らの長所 / 短所 に目を向けるために

例えば「ビブラートが得意だー」という既存のもの

(少なくとも葉山は大得意なので)に気付くという観点で取り入れるのに対し、

LO2だと「こぶしを使えるようになる」(使い方がいまいちわかっていないやつ)という

観点で入れることができます。

もちろん「こぶし」を入れない歌い方を「自分の短所だ」と認識すれば

LO1になるのですが、

あくまで自らに備わっていないことに「挑戦する」という感じで

アプローチすればLO2になります。

つまり「認識する、長所 / 短所に気付く」だけならLO1、

「それを克服する / 成長させる」ために活動をするならLO2向きだと言えます。

 

なんとなくLO1は個人・パーソナル寄りなのに対し、

LO2は活動面なのでどんな規模でも応用することができるんだなーというイメージを持てば

違いが少しだけわかる気がします。

 

LO3:自らCAS活動を計画し開始することができる

 

これは英語で見た定義のまんまです。

「Initiative」つまり主体性ですね。

自らが主体的に、意欲を持って何かの活動に取り組みます。

これは「自分が」とついていますので

他の人と協働しているプロジェクトでは自分がチーフとかリーダー的ポジションにいない限り

共存することはできません。おそらく。

でもガイドだと他者と共同しても達成されるって書いてあるんですよね。

うーむ謎。

 

とにかく、主体的にいろんなことを考えたり

行動をしたらこれになるんだと思います。

全ての活動は大抵自分で考えて参加しているものだと思うので

このLOが適応されるのですが、

特に外部連携をするCASや、CAS Projectなど

自分が意欲的に何かに取り組む予定のものについては

このLOを使った方がいいかな、と。

 

LO4:CAS活動を継続し、やり遂げる粘り強さを示す

 

これはPerservance, つまり忍耐力です。

特に長い間取り組むべき活動とか

かなり自分の集中力を削がれなければならない活動とかは

このLOが適応されます。

 

葉山の実例ですと、このブログは確実にLO4だと言えるでしょう。

一年間という長い期間を通じて国際バカロレアを発信するこの活動は

間違いなく粘り強さ、忍耐力を応用しなければなりません。

こんな感じで、LO4ではかなり長い期間で実施する活動で入れておくと

振り返りがやりやすいかなーと思います。

 

LO5:他の人と協働し、その意義を認識する

 

ちょー簡単に言えば

誰かとCASをすればこれです。

CASの活動は全て一人ですればいいわけではなく、

同級生や後輩、或いは外部との連携を通じて行うことも必要です。

 

普通他者とともに仕事というか作業をする時って

合意形成をすることとか、スケジュールをあわせることとか、

とても難しいことがいっぱいあると思います。

そうした困難を見つけたり、それらの課題をどのように解決したか、

そんなことを考えるための一つの指標となります。

 

ここまで書いてみればなんとなく察することができますが、

Learning Outcomesは

ただ活動に関連しそうな学びの成果を結びつけるだけではなく、

活動を振り返る上での視点としても機能します。

そのため、CAS活動をどんな観点で振り返りたいか、と考えてみると

LOも簡単に決めやすいのではないかと思います。

 

LO6:グローバルな課題に取り組む

 

これはほぼこじつけな感じがしますが、

活動が地域的、もしくは国際的な課題と関連していればこれになります。

友人がやっていた海洋プラスチック拾いとか、

それを用いてアート作品を作るとか。

他にも子供の意見を政府に伝えやすくするためのシステムを作った人なんかもいました。

こんな感じで、自分が認識しているさまざまなグローバルな課題を解決するために

行動を起こしていれば、LO6として数えることができます。

 

葉山は何したっけな、海岸清掃とアート作品作りと

日本文化で特に興味がある日本刀の鑑賞パンフレットを制作しました。

我ながらとても良い出来になった

(というか高校生の葉山が日本刀の鑑賞方法をまとめること自体に

大いな意義があると思っていたので)

地元の美術館で展示できないか交渉したのですが、

「そんな学びにならなさそうなこと受け付けられません」と突っぱねられたやつですね。

いつも刀剣を見に行っている大好きな博物館なんですけど、

高校生がやっているというだけで偏見を持たれて蹴られてしまったことが

とても悔しかったのをよく覚えています。

いつか展示してもらえるように自己研鑽に努めます。

 

LO7:選択と行動の倫理的側面を認識し取り組む

 

葉山が最も理解していないLO。

自分の行動や活動には必ず結果が伴うと認識する活動です。

要するに、自分が活動する中で選択した行動だったり考えだったりするものが

結果的に活動にどう影響したか、それは絶対に良いものであったと言えるか

なんてことを考えるものです。

そもそもCAS活動でするべきことは自分のためになること、

もとい社会のためになることですから、

活動は絶対何かにとって良いものになるべきであって。

ならこのLOをわざわざ設定するか? とさえ葉山には思えます。

 

ですがこの前先生とこのLOの話を(たまたま)したのですが、

先生曰く

「この倫理は葉山自身のためになったの? それとも、社会的にためになるものなの?」

ということらしいです。

自分が本当にやりたい、と思って始めた活動が

どのように自分自身、もしくは社会のためになったのかを評価するLOってことらしいです。

 

 

Learning Outcomes のバランス

 

ここまで全てのLOを解説してきましたが、

この中で皆さんは「好きなLO」と「苦手なLO」ができたと思います。

葉山の場合、ほとんどの活動を一人でするぼっち民なので

イニシアチブ(LO4)は大好きですが、

どういう意味なのかよくわかってない倫理(LO7)は正直苦手です。

 

「ならイニシアチブばっかりやれば良いんじゃねぇの?」と思った皆さん、

そういうわけにもいきません。

 

LOも、CAS(Creativity, Activity, Service)と同じように

バランスよく個数をこなす必要があります。

例えば葉山の学校ですと、28個CASをこなさなければならない

+一つの活動に2つLOをつける

となると、計56個のLOの記録=一つのLOを最低でも8回は使う

という計算が出来上がります。

もちろん

イニシアチブが9個、倫理が7個とかならまだなんとかなりますが、

イニシアチブが14個、倫理が2個というような極端な違いはよろしくないです。

正直ここの塩梅はアドバイスをしてくださる先生の酌量によります。

 

DP生はどう管理してる?

 

葉山の学校はManagebac というサイトで全ての提出物を管理しています。

CASに限らず、EEやTOK、さらには他の6科目の提出物も含めて。

そのうちCAS画面では、それぞれのLOがいくつあらわれているか

綺麗に計算してくれる画面が搭載されています。

葉山のプライバシーなので写真は載せませんが。

基本、登録サイトで見ることができそうですよ、ということだけ。

 

ですが葉山は、

振り返りとか全体のバランスを管理するときに

それぞれの活動でどのLOを使っているのかを見たいので

勝手にExcelを作って管理しています。

これは見せても良いかな。

葉山のCAS管理画面

流石に時期までつけるのは(月単位だと面倒だったので)やめているのですが、

C、A、Sのバランス、そしてそれぞれのLOのバランスをここで考えています。

また、Excelなので最後の方に合計を出してくれる関数を設定しておくことで

今それぞれのLOやC、A、Sを達成しているのか可視化しています。

登録する前に、今後この時期でこの活動をしたい的なこともまとめられるので

個人的に良い発明をしたと思っています。

(後輩で欲しい人いたら学校で声かけてください)

 

ちなみにMB・PSは Managebac と Planning Sheet のことです。

登録サイトとCAS計画書で書かれている LO の順番が違っているので

うまく対応するためにこんな感じの書き方をしています。

 

活動名を緑=完了済 黄色=現在進行中 青=計画中 白=願望 くらいで定義しておいて

ぱっと見たときに「どの計画書を作らないといけないのか」なんてことを

考えていました。

 

 

まとめ

 

ということで今回はCASのもう一つの要を担っている

Learning Outcomes についてまとめてみました。

この記事を通じて少しでも計画を練りやすくなってくれたら幸いです。

 

ではでは〜。