IBDP体験記 現役DP生が国際バカロレアを解説してみた

不定期更新。国際バカロレアについて現役生がぶっちゃけます。

【IBDP】 TOK Essay って? 実際にやってみた感想は?

どうも葉山です。

今週のお題「上半期ふりかえり」だそうですが、

もう上半期が終わっちまうんですね。

つまりいよいよ、Mock Exam も Final Exam もやってくると。

相変わらず連絡した先輩からの既読スルーは続いていますが

(根に持つなって)

進路の不安が消えないままがむしゃらに毎日生きてます。

 

先日練習を兼ねて国語Paper 2の練習をしたのですが、

もう長らく小説というか文章というか、そういうものを書いていないので

頭に思い浮かんだ文字がいつもより早く消えるようになりました。

書きたいことが書けねぇ……(悩)

ということで久しぶりに國學院大学創作コンテストに応募する用の小咄を書きました。

もう二篇書いたらちゃんと応募しようと思います。

 

 

さて今回は表題の通りです。

葉山を常に悩ませてきた難題こと

TOK Essay

終わりました。

終わりました! やっと! (煩い)

 

ということで、そもそもTOK Essay って何なんって話と

実際に現役DP生としてやってみた感想をまとめていこうと思います。

 

 

 

 

TOK Essay って何?

この評価課題では、提出締め切り日の半年前に6つの問いがIBOから示されます。

この中から一つ選び、1600語(日本語なら3200字)で執筆します。

ちなみに、締め切りとはいつものパターンでみるなら2月〜3月となるみたいです。

 

hayamaibdip.hatenablog.com

 

実際の締め切りは2〜3月じゃなかったんですけど、

概要は捉えているのでこの記事を引用してきました。

 

TOK Essay とは、

DP6科目の他に、3強として数えられている

「EE (Extended Essay)」「CAS」「TOK」のうち「TOK」で行われる最終課題です。

他の最終課題の概要も同じようにブログで紹介していますので

よろしければご覧ください。

 

葉山はご存知日本語話者ですので、

TOK Essay も日本語で書きました。つまり3200字のエッセイってことです。

 

AOK って?

 

これも先ほどの記事に書いてあるのでもう一回引用してきますと、

  • 歴史
  • 人間科学
  • 自然科学
  • 芸術
  • 数学

です。なんか葉山のはてなブログが今バグっているので引用ができません。

引用参考についてはご容赦ください。葉山の過去記事です。

TOK Essay はこのAOKのうち二つを用いて、

所定課題、いわゆる問いについて議論します。

 

どんな問いがあるの?

 

これもあのブログ記事に2023年5月のものがありますが、

 

実際に2023年5月に出題された問いを見てみると、

知識の生産には複製可能性が必要ですか? 2 つの知識分野を参照して議論します。

芸術家と自然科学者にとって、何が説明できるのか、何が説明できないのか、どちらがより重要ですか? 芸術と自然科学を参照して議論します。

私たちの知識の獲得が、一部の情報や声が排除された「バブル」の中で行われるかどうかは問題でしょうか? 2 つの知識分野を参照して議論します。

「これほど少ない知識が私たちにこれほど大きな力を与えてくれるというのは驚くべきことだ」(バートランド・ラッセル) ということに同意しますか? 自然科学と他の知識分野を参照して議論します。

視覚的表現は知識の伝達に常に役立ちますか? 人間科学と数学を参照して議論します。

私たちが生み出す知識は、私たちが使用する方法論によってどの程度決定されますか? 歴史や他の知識分野を参照して話し合います。

(参照:IB ToK Essay Titles and Topics: May 2023

 

とのこと。

基本的に一年に一個は先人の言葉を引用してくるものがあると睨んでいましたが、

今年度(2024年11月試験)では全くありませんでした。

かなりDPは気まぐれみたいです。

 

AOK 指定パターン VS バイキング方式

 

ちょっとなんて書いたらいいのかわかんないので「バイキング形式」と書いたのですが、

問いを見てみると、たとえば

「人間科学とさらにもう一つの知識の領域を用いて説明しなさい」みたいに

ある一つのAOKがすでに定められているものがあるパターンと

「二つの知識の領域を用いて議論してください」みたいに

二つの知識の領域を個人で設定していいパターンがあります。

 

一見すれば、自分のやりたい話を好きなように広げられるので

自分で選択できる「バイキング形式」の問いのほうが融通が効きやすそうに見えます。

しかし、あくまで葉山の主観ですが、

自分でAOKを選択した時、仮にそれが問いにうまく合致しなかった時

論を一から考え直さないといけなくなるのでとても難しいことになります。

ならいっそ、一つAOKがすでに決まっている問いを選んで、問われていることを理解してから

もう一つのAOKを設定するのが一番効果的かなと思います。

葉山も今年のTOK Essay の問いはこの「片方選択制」でやりました。

 

なお、2023年5月の問いには「人間科学と数学から議論しなさい」と

なんともご丁寧な問いの提示がされているものがあります。

滅多にない親切なパターンだなと思いますが(あくまで葉山の主観です)

逆にこれでも決まってるAOKで事例が見つからなかった場合

論どころか問いの解釈にすら詰んでしまうので

葉山は融通を効かせるためにも片方選択制を強くお勧めする派閥になろうと思います。

 

実際にやってみてどうだった?

 

ここからは、葉山の感想を三段階に分けて紹介します。

 

楽しかったこと

 

文章を書くことが好きな葉山はそもそも3200字という少ない領域の中で

どれだけの情報を詰め込めるか考えるのが楽しかったです。

そりゃ42万字小説を書いているクリエイターとして、

あるいはきっと累計十万字超えているであろうブロガーとして

3200字なんてちっぽけなものと思えますが、

それでも質をかなり上げなくちゃいけないので

実質5万字かけて説明しそうな内容をギュギュッと凝縮していく工程が

とても楽しかったです。

 

以前一緒に活動した事業者とか小説の同胞に

「葉山って負荷かけられるの好きだよね」と言われたのですが

こういう側面を見るとなんだか負荷かけられるの好きなんじゃないかと思ったりもする。

自分の心に正直になりすぎると、ますます葉山の変人ムーブを自覚するので

いいかげん謹んで生きてください葉山さん。

 

意外と難しかったこと

 

3200字に収めた後先生に一度フィードバックを貰いに行ったのですが、

(TOK Essay では一回だけ担当教員からフィードバックをもらえます)

その先生が国語科の教員だったこともあり

文法や表現技法をかなり添削されました。

かの国語科の教員(葉山は陰ながら愛称としてモリリンと呼んでいる)は

葉山のEEの担当教員だったこともあり、かなりフランクに接しているのですが、

モリリン:「葉山ぁ〜この文自分で読んでみ〜?」

葉山:「えっと、バナナになっているりんごはりんごと言えるのでバナナでは〜」(適当)

モリリン「これぇ、なんかおかしいのわかる〜?」

葉山:「それを指摘するのが先生の役割では」

モリリン:「それに気づくのが生徒の成長じゃないんかなぁ、ほぉん。」

みたいなとてもふわふわしている先生です。

結局主語が抜けていただけなのですが、細かいところを丁寧に見てくれるので好き。

 

そんなこんなで表現を変えてしまうと字数が多くなるので

表現を変えて、伝わるか読み返して、また修正して、の繰り返しでした。

 

最初から意味がわからなかったこと

 

これは外部の人からフィードバックをこっそりいただいた時の話なんですけど、

TOK Essay では「知識の領域」に関する理解が求められるみたいです。

そのため、without AOK で書いたエッセイで3200字行っていた葉山は

そのフィードバックをもらった瞬間にかなり絶望しました。

 

今まで授業で使った議論内容wordを無理やり引っ張ってきて、

なんとか綺麗に貼り付けて、

つぎはぎの部分を接続詞でなんとか埋めて、

こうしていると300字くらい増えるのでそれを頑張って削って、

みたいな工程を提出日の前日までやってました。

器楽の練習もあったんですけど、演奏していない間は基本的にずっとTOK。

音楽ってなんだっけ。

 

まだ葉山はこの学校の一期生なので、

前例がない中でDPをやっていることの弊害をものすごく痛感しました。

 

それでもなんとか終わって提出できたからいいんですけど、

このフィードバックのおかげでかなり深みのあるTOK Essay になったと感じています。

いやぁ先輩って偉大。

 

まとめ

 

ということでTOK Essay をやってみた感想をまとめてみました。

とんでもなく難しくて何をやってるのかわかんなくなることが多々ありますが、

そんな時にうまく周囲を頼れるといいなと痛感した二週間でした。

人間関係と一緒ですね。

 

 

ではでは〜。