IBDPについて:現役DP生の日常

不定期更新。国際バカロレアについて現役生がぶっちゃけます。

【IBDP】 EEのテーマってどう決める? 実体験をもとにまとめてみた。

ども葉山です。

冒頭に書きたいこともないので、はてなブログ特有の今週のお題について一言。

今週のお題「大発見」

最近友人から葉山に一つ写真が送られてきました。

葉山は文豪ストレイドックスのフョードルを推しているんですけど、

最新刊のドスくんが映ったコマの写真でした。

すごく好きでした(幼児の感想)

 

 

さて今回は、同じくブログを書いているブログ仲間兼先生からの相談です。

葉山「次の記事何書こうか迷ってるんです」

先生「僕さー、あれ、EEの話聞きたいんよねー。この前終わったでしょ。」

葉山「承知いたしましたー。」

と言うことで、

EE関連の情報を、実体験をもとにまとめてみようと思います。

特に「EE何書けばいいのかわかんない!」とか

「具体的な進め方のイメージがわかんない!」という疑問が

解決できればな、と思います。

 

その前に、

「そもそもEEってなんぞや」という人は

以前葉山がEEの基礎情報をまとめた記事がございますので、そちらを参照ください。

hayamaibdip.hatenablog.com

 

 

 

 

 EEのテーマについて

いろいろ選択の幅がある

 

以前の記事で書いた文言ですが、

生徒は、みなさんが取得している6科目 その中でも HL のもの

(おそらく3科目)から1科目を選択して執筆を進めます。

【IBDP】 DP生の強敵、Extended Essay って何? 文系と理系の違いを聞いてみた。 - IBDPについて:現役DP生の日常

基本、EEのテーマはHL科目から選択するようになります。

 

ですが、おそらくEEのテーマ決めをしている生徒

あるいは他の単元でIA(内部評価のレポート)の説明を聞いている生徒は

なんとなく察しているんじゃないかと思います。

 

範囲が広すぎる!

 

簡単に言って仕舞えば、HLの内容であれば何を選んだって良いのです。

例えば日本語なら、

  • 選択する文学作品をひとつにするか、ふたつにするか
  • 文学作品の時代はいつか、近代、平安、室町、そのた古文書
  • 特にどの作家について書くか

など、いろんな選択肢が存在するわけです。

これはもう、星の数ほどあると言っても過言ではないくらいに。

きっと日本語に限らず、また文系理系問わず、この課題は直面すると思います。

葉山もこの点、すごく悩みました。

 

葉山はどう選んだ?

 

そんな中で葉山は国語で執筆をしたのですが、

葉山の思考プロセスをここで紹介します。

あくまで「日本語A」で「EE」を書くときにとったプロセスです。

 

1:好きな文学作品を一旦書き出してみる。

 

葉山の学校では、EEについて説明されるセッションの中で

自分がどのテーマで、何についてEEを書くか検討する時間を取っていました。

そのときに葉山は、持っていたノートに一度何について興味があるか適当にメモ書きしてました。

どうしても葉山は進路の都合上、

文系、特に日本文学について焦点を当てたかったので

日本文学を中心にEEを書いて行くことに決めた上で、

今まで読んできた日本文学作品のタイトルを適当に書き出してみました。

この中には、自分がこれから読みたいと思っている作品も含まれています。

当時のノートをメモに再現してみた

 

こんな感じ。特に村上春樹は、作家的に読んでみたいなとずっと思っていたので記載。

 

2:実際にできそうなものを書き出してみる

 

例えば司馬遼太郎でしたら、葉山は新撰組が大好きなので楽しく書けるとは思いますが、

日本文学というより歴史的な側面が大きくなりそうだ、とか。

村上春樹はきっと文章がとても長くなって分析が難しそうだとか。

そんなこんなでいくつか作品を消していきました。

 

ちなみにこのとき残っていたのは、太宰治「斜陽」でした。

今でも大好きな作品です。それくらい衝撃が強かった作品で、

特にお母様の貴族としての気品と、それを最後まで貫いた母の生き様。

にも関わらず、社会が変容した結果そのような文化が失われてしまうことの儚さ。

まさに今、廃れつつある日本文化や伝統を形容しているようで、とても好きです。

だから葉山は、太宰で書こうかと思ってました。本気で。

 

3:何について書こうか考える

 

太宰治「斜陽」だったら、衰退とか気品とかそういう朧げなイメージに加え、

登場人物の描かれ方、相関関係、及び時代背景など

様々なコンテクストで分析することが可能です。

特にこの時代の文学者は村上春樹ほど長くないですし

(葉山も実際、CASで書いている小説がそろそろ30万字行きますが)

非常に分析が容易い(あくまで文量的な話です)と言えます。

 

なおこのとき、太宰にしようと思うんですと葉山が先生に相談したところ、

先生がノートを見て一言。

 

「太宰もいいけど、僕は鷗外派だなー。」

 

そう言われて舞姫をとりあえず読んで、とんでもないほどのシリアス展開に惚れて、

結果葉山は森鷗外に完全に方向転換しました。

意外と先生と相談してて、きっぱり方向が変わることもあったりします。

それから鷗外の他の作品を読んだり、先行研究をみたり

あとは完全なる自分の主観(ここ引っかかるんだよなと思ったところ)を中心に

探究の問いを設定していきました。

 

おすすめの選び方

 

こんな感じで葉山は、鷗外に辿り着くまでに紆余曲折してました。

ですが、中にはこう思う人もいるでしょう。

 

「そもそもそういう作品が思いつかねぇよ!」

「いいテーマってなんだよ! しらねぇよ!」

 

大いにわかります、その気持ち。

思いつかないときってとことん思いつきませんよね。

 

ここ最近葉山がテーマにいいなと思っていること、

というかテーマ選びで使えそうな視点として考えていることは、

やはり「進路」との関連性です。

 

葉山は日本文学、特に鷗外や太宰、宮沢賢治などそのあたりの文学者の作品が好きで

よく読み漁っています。

なのでEEもその辺の時代の文豪から選んできていたような節はあります。

自分の興味関心について深く認識しておくと、

やはりEEのテーマは見つかりやすいのではないかな、と思います。

 

また、進路に関連するならもう一点。

志望する大学と深く関連する範囲で探すという手もあります。

特に国際バカロレア選抜に出願する時、ほとんどの場合でEEの提出を求められます。

そのときに、研究していた分野が大学の分野と合致していれば

この上なく好印象を与えると葉山は思います。

 

もしすでに興味のある大学があるのであれば、

その大学の学部、もといそこで教鞭をとっている教授が

具体的にどのような研究をされているのかを調べてみれば発見があるかもしれません。

ちなみに葉山は、森鷗外で書きましたが

志望校の中で森鴎外について詳細な研究をされている方は数名いました。

すごくうれしかったです(三歳児の感想)

 

ちなみに葉山の主観ですが、

特に文学部で教鞭を取っている教授の中で絶対に一人は

平安文学・あるいは室町文学の研究者はいるんじゃないかなと思います。

特に源氏物語古事記の選択肢がありました。

(ちなみに葉山の愛読書は小学生の時からずっと、銀河鉄道の夜古事記です。)

 

また、近代文学、特に葉山の興味のある明治期あたりの文豪で言えば

あたりが強かったです。

迷ったらこの辺から選んでみると損はないかなと思います。

 

EEのスケジュールについて

大まかなスケジュール概要

 

以前の記事でまとめたスケジュールを再掲します。

 

1〜3月 テーマ決め、作品決め、基礎文献を軽く探す

4〜6月 基礎文献探し、ある程度の論の構成を考える

7月 第一回公式面談/テーマの確定

8月 夏休み、文献調査

9〜12月 本文の執筆

12月 第二回公式面談/第一稿完成、推敲

1月 第三回公式面談への準備(?)(実質何もしてない)

2月 第二稿完成

2月29日 最終稿提出

3月初週  第3回公式面談(口頭諮問)

(2024/03/06 一部追記済み)

【IBDP】 DP生の強敵、Extended Essay って何? 文系と理系の違いを聞いてみた。 - IBDPについて:現役DP生の日常

 

 

実際葉山がやってきたときの進捗

 

概ね上の通りです。

基本葉山は9〜12月の何もすることがない休日に、暇つぶし程度に書いていました。

以前もどこかの記事で書きましたが、

大学視察に行ったとき先輩が

「集中すれば半日で終わる」とおっしゃられていたことを思い出し、

今日はこのセクションを書く、と目標を定めた上で執筆を進めました。

基本、第二回公式面談までに全ての論が完成していると楽です。

 

ですが葉山は、提出ギリギリまで12月の状態で放置していたため

しばらくして見返したときに、まぁなんとひどい文法構造だことと

部屋で笑い飛ばしてました。

なので、余裕を持って終わらせていたにも関わらず

葉山は提出の三日前くらいからかなり焦って推敲した記憶があります。

とは言っても、脚注をつけたり、文末を変えたりくらいなので

+α 三時間くらいで終わったかもしれない。かなり時間をかけてしまった。

 

二つ言いたいことが

 

同級生がEEを書いている中でよく言っていたことを二点紹介します。

 

   1.  実験がおわんない

 

特に理系民が言っていた言葉だったと思います。

理系科目は特に、先行研究を元に一から実験を考えるだけではなく

独立変数や従属変数を自分で制御しなければならないので

満足なデータが得られない場合は何度も試行錯誤するみたいです。

友人の中には提出締め切りの一週間前まで実験が終わらない人とか

学校の機材では対処できないため外部と連携して実験した人とかいました。

理系ってすごく大変みたいです。

 

かといって文系も、論をまとめるための文献が足りなかったり

特に鷗外はその独特の口調を理解するのに苦戦して

ずっと「んあー」となってました。

文系だって大変です。

 

さすがDP生最大の強敵と言われるだけあります。

 

   2. 字数が足りない

 

EEの字数は英語で4000 words、日本語で8000字です。

8000字ってどのくらいかと言いますと、単純計算で原稿用紙40枚。

多く聞こえると思いますが、

葉山が書いているこの記事の字数が大体4600字です。

こう聞けば「意外とすぐに埋まるのだな」ってことがわかると思います。

wordって文章を3行書けば100字余裕で超えますからね。

そのため、字数が2000字くらい超えてピーピーしてた人がかなり多かったです。

 

葉山はどうだったかというと、

小説を書いている葉山は回りくどい言い回しが大好きで(自負)

結果すんごい字数を一度に量産する癖がついてしまいました。

それを見かねた(?)先生が

「字数はちゃんと制限しておこうぜ」とおっしゃってくれたので

各セクションで字数を収めるよう、セクションごとに細かく字数を削っていました。

おかげで第二稿完成時には500字くらい余っていました。

 

この字数の余りがあったおかげで、

最後の足掻いた三日間くらいの時に文章をきれいに直すことができました。

字数が足りなくなりがち、というのはEEに限った話ではないので

それぞれのセクションで細かく制御することをお勧めします。

 

まとめ

 

ということで、今回はEEのテーマについて、

またスケジュールや実際にやってみた感想も踏まえて紹介してみました。

EEは強敵として名を馳せ、確かに難しくて面倒くさい課題です。

ですが、EEをやったおかげで葉山はもっと森鷗外が好きになったし、

ひいては日本文学自体への興味がもっと湧きました。

きっといい機会になること間違いなしなので、

根気強く頑張ってみてください。

 

 

ではではー。