IBDP体験記 現役DP生が国際バカロレアを解説してみた

不定期更新。国際バカロレアについて現役生がぶっちゃけます。

【IBDP】 DPの点数ってどう決まる? Grade boundariesを元に考えてみた。

ども葉山です。

先日CAS活動の一環で元気いっぱいの子供たちと戯れてきました。

絵本を読んだり、お話ししたり、歌を歌ったり。

おかげで現在喉が死んでいます。

寒いし頭も痛いしほんと嫌になってくるレベルでしんどい。水が飲めない。

楽しい企画には犠牲がつき物ということですね。気をつけます。

 

さて今回は、久しぶりにちゃんとDPの情報をまとめておこうと思います。

前回の記事で生物のテストが帰ってきたなんて話をしましたが、

今日葉山の元に数学のテストが帰ってきました。

 

悲惨な状態でした。

さすが数学です。

 

ということで、モチベを上げるためにもIBDPのGrade Boundariesを見て

何点取ればいいのかということをまとめていこうと思います。

 

 

 

7点とるって言うけれど……

 

よく大学の要項にこんな文言を見かけます。

「英語B HLで6点以上」

「総合評価40点以上」

果たしてこれがどのくらい難しいのかということをうまく理解できないかもしれません。

 

よく後輩にもこんな人がいます。

「私、DPで42点取りたいんです〜!」

「俺は満点取って国内の大学に行くんだー!」

(いや満点取るなら海外大学に行け)

この点数が果たして可能なのかどうか、それを考える上で使えるものが

過去のスコア分布

 

そして

Grade Boundaries です。

 

Grade Boundaries ってなに?

 

Grade Boundariesとは、その年に受験した先輩DP生たちが

どのくらいの点数で何点取ったかを示す表のことです。

きっとGoogle大先生に「IBDP Grade boundaries」

って聞いたら、いくつか出てくると思います。よければ見てみてください。

葉山が見つけたのは2019年と2022年なんですけど、

この三年間の間に評価方式がかなり変わっているので、

今回は特に今の試験と共通点の多い「2022年5月試験」を元にしながら

大体何割取ればいいのか、各教科ごとに内容をまとめてみようと思います。

 

配点分布を気にかけてみる

 

それぞれの教科説明をする時に、

「このテストは何%評価されます」なんて言葉をよく使っていると思います。

これは、この最終評価の割合にどの程度影響を与えるかを示すものです。

そのため、全てのテストで6割を取ったからといって

Grade Boundariesで6割取ってたら位置できる範囲にいるとは限らないということ。

配点分布が高い箇所で、的確に得点をとっていくことが望まれます。

 

でも正直、葉山はその割合の計算方法をうまく掴めていないので

(というか本番の試験と同じ配点でSummativeを行っていないです)

ここに関してのコメントは正直できません。未知数です。

なので、「配点割合の高いPaper 2の点数を高くしよう」くらいしか

アドバイスできることがないです。

 

ちなみにこれからTime Zoneなんて表記が出てきますが、

1=アメリカ圏

2=その他圏 のことらしいです。

全体的にアメリカ圏の水準が高かったのですが、

その他圏でも大してGrade Boundariesの値は変わらなかったので、

いろいろと入り混じってます。

 

 

日本語A

Japanese A HLのGrade Boundaries

 

葉山がHLなのでHLの表を引っ張ってみました。

総合評価で7割を取らなければ日本語HLで7は取れません。

この総合評価7割が高い壁になります(主観)

 

ちなみに葉山の国語担当の先生に聞いたところ、

そだねー、85%はそれぞれ取らないと7取れないかなー」

とのことでした。

 

この85%ってどのくらい大変かと言いますと、

たとえば個人口述なら、四つの評価基準があったときに

それぞれ10,10,5,5点で評価されています。

85%ということは26点ですから、10点の評価項目で6を取ったらもうアウトです。

例えGrade Boundariesが7割と言ったとしても、

先程の「比率問題」が出てくるのでそれなりに点数を取っておく必要があります。

すごく難しいのです。

 

じゃあ葉山は7点大丈夫なのかと言われますと、

正直自信はないですが、

練習の時に全ての課題で85%は超えていますし、

この前は個人口述で95%取りました。

なので高得点を取ったときの参考資料は人一倍あると思って生きています。

というか文学部日本文学専攻で生きていたいので、

日本語Aはなんとしても7点を取ります。はい。

 

English B

English B HL Grade Boundaries

English Bはきっと、国内のDP生はかなり挑戦している科目だと思いますが、

7をとるためには総合評価87%です。

 

87%……

やるなDP……

 

先程の比率問題を気にしたとしても、ほぼ満点レベルで評価7です。

葉山は英語貧弱なので、7を取ることは諦めました。

ですが、海外大学を志望する人や英米文学志望の人は特に

この「7点の壁」を突破しなければなりません。頑張れ(他人事)

 

地理

Geography SL Grade Boundaries

文章書いて終わりの地理。

時々出てくる過去問がちょっと難しくてドキドキしていますが、

半分取ってればなんとかなる科目ですね。

地理用語や事例を駆使して、うまく点を稼いで行けたらいいなと思います。

 

生物

Biology SL Grade Boundaries

半分取ってれば5点はいけるという良心的な科目です。

葉山の学校では過去問をやりこめば8割9割取れるテスト方式を使っていましたが、

本番のテストではそんな巧い話があるわけではないので

正直とても心配な教科。

 

化学

Chemistry SL Grade Boundaries

数々の同級生が化学をとっているのでおまけでまとめてみました。

7割、というバンドが命になってくるみたいですね。

 

数学AI

Math AI HL Grade Boundaries

え、低くね?(初見の感想)

半分とれば6に位置できるどころか、

最低ラインが3割というなんとも低い点数のAIHLのマークバンド。

今回のテストの結果が散々だったので少し励ましになりましたが、

それでもいかに数学が強敵か、物語っているデータだと思います。

 

これ、きっと葉山はめちゃくちゃ苦しむ結果になると思いますが

きっと大天才ちゃんや隣の理系民ちゃんなんかは楽勝でこなすんだろうなぁ……。

 

ちなみに似たような傾向が物理でもみられました。

半分取ってたら6でした。

物理民も大変だなぁ……(他人事)

 

音楽

Music SL Grade Boundaries

我らが音楽も、半分とれば5の割合にいるタイプです。

そろそろコメントの内容が被ってきそうなので口を慎みます。

 

Film

Film SL Grade Boundaries

芸術系のマークバンドとしてFilmも持ってきてみました。

が、

8割以上取らないと7点にならない

音楽と10%以上の差を見せつけてくれちゃっているFilmくん。

鬼畜教科だ……。これは確かにみんな必死になってレポート書くわ……。

 

 

おまけ:実際どのくらいの点数を取ってるの?

 

葉山の学校には残念なことに先輩がいないので(実は葉山は一期生)

各年の成績分布を引っ張ってきてみました。

The average diploma score for the November 2022 session is 30.91 points. 

www.ibo.org

昨年の11月試験は切り上げて30.91点が平均だったようです。

IB Total Points Distribution 2020

ib.edu.sg

 

コロナ禍を乗り切ったIB生は、

IBの特殊制度が適応されて全体的にテストの結果も良くなっています。

ですが今はコロナ対応はないので、結果的に昔の水準に戻りつつあるようです。

 

これらの情報から、一般的にDP生が取れる点数の目安は

30〜35点

と言えるかな、と思います。葉山の見解です。

 

もちろん、各学校の教え方によっては平均が40点近く行っているところがあったり、

TOKやEEに強い学校があったりするみたいです。

なので、学校の教え方や環境によっても左右されやすいという視点もあります。

 

 

国の入試って、

 

これをみて思うのが、やっぱり国の国際バカロレアへの認識が甘すぎるということ。

Grade Boundariesを見てもわかるように、

30点でも私たちは相当に努力してきて点数を取っているわけです。

もちろん共通テストに向けて勉強している高校生と同じくらい。

それよりも早い期間から、一年半もの年月をかけて。

国際的な視点を持ち合わせながら、自主的に活動をできるように様々な工夫をして、

プレゼンスキルやタイムマネジメントも社会人並みにできます。

(言い過ぎかもしれない)

 

それなのに、国内の受け入れ大学の点数は「40点以上」なんて要項を掲げている。

進路の先生と話していた謎って、実はこういう認識のギャップの話なのです。

40点以上取るのは、ほんとに世界の中でも稀な才能なので

日本の大学より海外の大学での需要がどうしても高まってしまうし、

生徒もまた高レベルな大学に行けるなら、と海外にどんどん流出するようになる。

 

入試の枠自体も少ない日本だと、受け入れてくれる大学にも限りがあります。

葉山はかろうじて日本に関心があることから国内大学に関心がありますが、

理系志望や国際社会に興味を持つ人は、きっとどんどん海外に流出すると思います。

このままだと将来日本を背負っていく有能な人材が、どんどん流れて行ってしまう。

最近日本のGDPが世界四位に落ちたという話がよく持ち上がっていますが、

これからの社会を立て直していくという面でも、

教育に力を入れるべきだなーと一個人ながら思います。

 

ただ国際社会に羽ばたく上で日本のことを知らなすぎる人が多いからこそ

日本を理解するために文学や文化論をやって広報したいと思ったことが

葉山の進路に対して大きな影響を与えていたりするんですけどね。

 

まとめ

 

目標としたい点数のGrade Boundariesを見てみた結果、

大体全ての科目で半分以上とっておくことが

問題なくDPを卒業できる要件になることがわかりました。

また、「7」を取るための基準は

どうやら7割以上らしいということがわかりました。

 

ただし、各科目で大きな差があるので

自分が将来大学に進むにあたってどのくらいの点数を取っておきたいのか

一度Grade Boundariesを見て考えてみることをお勧めします。

 

ではではー。