【雑談】 怖かった時の話
どうも葉山です。
いい加減IBDPに関する話を書いた方がいいと思うのですが、
せっかく夏なので、一つ思い出話がてら書こうと思います。
本当は怖いもの大嫌いなんですけど(お化け屋敷は圧倒的に無理)
最近作業用に怖い話を垂れ流していることがあるので
葉山もそんな不気味な経験があったなーと思い出したので。
これは朧げな記憶ながら、ある夏に体験した話です。
葉山が今住んでいる土地に引っ越してきたのは小学校四年生の時でした。
当時の家はマンションながらかなり広めで、角部屋南向きのいい部屋でした。
広い部屋がいくつかあって、大して使ってない子供部屋らしい物置に
葉山と妹の机が置かれていました。
結構最初の頃は勉強とかに使ってたんですけど、
掃除のたびに両親(特に父)がリビングの机の上に置かれている雑貨を
葉山と妹の机の上に置くので、整理するのが難しく、
というか整理してもまた雑貨が置かれてしまうので、しばらく放置していました。
結果、その部屋の机に用がなくなったので
いつしか教材を取る時以外、その部屋自体に立ち入ることがなくなりました。
あとはリビングの広間と、大して弾かないキーボードがある部屋、寝室。
寝室は葉山家って父を除いてみんなで川の字になって寝てるので
畳の上に敷布団を敷いて眠っている残骸が残ってます。
ある夏の休日のことです。
葉山の机はご覧のような状況ですし、妹も同様だったので、
葉山たちは仕方なく、リビングの机で宿題をしていました。
どちらにしろあの部屋にはエアコンがないのでリビングでやってたんですけど。
そこに母も加わって(当時妹は小学校入りたてだったので、一緒に算数をやってました)
三人でリビングに居座っていたんですね。
どれくらい経った頃だったかな、勉強ってずっとやってると疲れるわけですよ。
だから自然と、最近学校であった面白い話で盛り上がってしまって。
「学級代表でいろいろ話聞いてるけどさー、みんなすごく面白くてねー!」
「わたしね、このまえ、ともだちとね、こんなおはなししたの!!」とか。
そんなこんなで結構ギャーギャー笑い合ってた時でした。
「ねぇ。」
ふと、女の人の声が聞こえたんです。
誰だって聞こえるくらい大きい女の人の声。
もちろん葉山は何も喋っていませんし、幼い妹の声でもない。
かといって母の声でもないんです。なんだろ、太い女の人の声というか。
ただ確実に言えることは、
その場にいた葉山、妹、母の三人全員がその声を聞いていること、
それが家族の誰でもない、「ねぇ」と話しかけてくるような女の人の声であったこと、
そしてその声は、例の机が置いてある部屋から聞こえてきたということ。
ちょうどリビングの机の真裏にその部屋に続く大きなスライド式扉があったので
何か物音がしたらすぐに聞こえるような位置ではあったのですが。
すごく気味が悪くなりました。
とりあえずじゃんけんをして、負けた母が部屋を確認することになりましたが、
案の定その部屋には何もいません。誰もいません。
ただ、葉山には、なんか1つ気配があるように感じました。
葉山実は昔からそういう「気」的なものをなんとなく感じることがあって
当たるかどうかは微妙なんですけど。
くじのあたりを予想するとか安易なものをはじめ、
なんかそこに何かいるだろうな、と感じることもしばしば。
最近は葉山の祖父が亡くなったとき、葬儀場の屋根に気配を感じて
じーっとそこを見てたら、
父が「お前もわかるかー、あそこに親父いるよなー。」と笑ってたので
さりげなくヒィっとなった記憶があります。それ以来少し強くなったような。
流石に当時、その勘が当たっていたとは思いたくないですが、ね。
とにかく、その日はもう勉強どころではなくなってしまいました。
得体の知れない何かがこの家にいるのではないか、と家族総出で大パニック。
しかし、それなりにパニックになったにも関わらず、
最近その話を母と妹にしたところ、
「そんな話は覚えていない」と言われてしまいました。
確かに当時の葉山も、母や妹がそんな話をしている横で、
やっぱりあれは夢だったんじゃないかな、なんて思っていました。
だってその頃は幽霊を信じていませんでしたし、
「そんな〜、ドラマの見過ぎだよ〜」と、
世にも奇妙な物語に絶対的トラウマを持っている葉山は笑い飛ばしていました。
そうせざるを得ませんでした。
そのまま夜ご飯を食べ、テレビタイムになり、そして眠りにつくことに。
葉山はいつも雑魚寝の窓際端ポジションなのですが
いろいろ話をして母と妹の方を向きながら、いつも通り眠りにつきました。
しばらく眠って、ふと目が覚めました。
夏だったので暑かったんです。
大抵こういう時、葉山はリビングの机奥を左に曲がり、冷蔵庫までトコトコ歩いて
冷やすやつを枕下に置いて寝るんです。
だから今回もそうしようと思って、視線をリビングに向けました。
するとどうでしょう。
リビングの机、なんか変なんです。
空間が歪んでいるというか、黒い何かがぼうっと突っ立っているような。
スプレーで黒く塗りつぶしたみたいに、その一角だけがどうしても見えないんです。
とにかく、いつも見ている景色じゃなくて、おかしいなって。
どうせ夢かな、なんて思ってみたんですけど、
確かに寝る前に使ってた布団も同じだし、
真ん中に寄ってはいるものの、母と妹の姿もある。
夢というには、あまりに「リアル」だったんです。
しかもその場所、左に曲がったら冷蔵庫なんですが、
右に曲がる、つまり葉山がリビングの机を望んだその先の部屋は、
今日声が聞こえた、あの子供部屋なんです。
なんだか嫌な予感がしました。
みてはいけないものを見た、直感的にそう思いました。
しかしもう遅くて、
その黒い塊が葉山に声をかけてきたんです。
「ねぇ」って。
あの時と同じ声でした。
葉山幼いながらとんでもなく怖くなりまして、
視線を逸らそうとしましたが、
それは少しずつ、葉山に近づきました。
すると、突然、それ、笑い出したんです。録音を流したような単調な声で、
「わひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」
って。何度も。途切れなく。
その声が、少しずつ葉山に近づいてきました。
その度に、単調だった声にキィ、と黒板を引っ掻くような金切り音が加わってくる。
だんだんその黒いそれの輪郭がわかってきて、
それの口が真っ赤に染まって、チェシャ猫みたいに、にぃっと笑っている。
これはダメなやつだ、直感でそう思いました。
咄嗟に布団を被り、手をギュッと握り、目を瞑りました。
その間にも「わひゃひゃひゃひゃひゃ」という笑い声が近づいてきて、
ついにすぐそばまで迫っているのがわかるくらいになりました。
声が耳元で聞こえて、頭の中に鳴り響く。
布団の中は夏ということもありとても蒸し暑くて、息がとても苦しかったことを覚えています。
しかし、すぐそばにそれがいるので、布団を開けてしまったら、何が起きるかくらい
容易に想像ができました。子供なので想像力が豊かなのです。
葉山はそのまま、汗びっしょりになりながら、
暑さと恐怖に耐えるべく、ギュッと手首を握ったまま目を瞑っていました。
なんなら少し爪を立てて、痛みで恐怖を相殺しようとしてました。
翌日、葉山は母の「起きなさい!」という声で目を覚ましました。
起きた時、葉山はあれほどまで汗をかいていたにも関わらず、
全く服が濡れていなかったことに驚きました。
使っていた布団も、頭からかぶっていたはずなのに、
足の方にまで追いやられていました。
結構頑丈にかぶっていた記憶があるんですけど、それでもバサーってなってるということは、
やっぱりあれは夢だったんだな、と思います。
あとから聞いたのですが、この家、前に住んでいた人はご近所トラブルに遭ってたみたいです。
下の階の人と騒音問題で揉めた結果、部屋を退去せざるを得なくなったんだとか。
「だからお前ら騒ぐなよー^^」と、
騒ぎまくる葉山と妹に対して父が注意してきたことを思い出しました。
って話をこの前母にしたら、
「本当にあったの? まじで?」と料理中に疑われました。
「多分夢だと思うよ、」とは言いましたが、実は母に一つだけ伏せたことがあります。
あの朝、葉山が起きて顔を洗いに洗面台に行った時、
徐にふと、手に視線を落としたら、
確かに葉山の手首には、爪でギュッと強く押した時の跡が赤く残っていたんです。
あれ、本当に夢だったのかなぁ……なんて。